ピンニング注入工法は、モルタル・コンクリート・タイルなどの外壁仕上げ材が下地から浮いている状態(「浮き」)を補修するための工法です。外壁の仕上げ面に電動ドリルで小さな穴を開け、そこに「アンカーピン」と呼ばれる金物とエポキシ樹脂を注入し、仕上げ材と下地を強固に接着します。これにより、外壁材の剥落(落下)を防ぎ、安全性を確保します。この工法の大きな特徴は、「浮き」のある部分だけを補修できる点です。健全な外壁部分はそのまま活かせるため、建物全体の見た目を損なわず、仕上げの撤去や張り替えにかかる費用を大幅に抑えることができます。ピンニング注入工法は、外壁材の浮きや剥落を未然に防止する補修技術として、プラント施設の外壁修繕・保守・防水工事の一環として最適です。
ピンニング工事が適している主な場所・条件
- 管理棟・事務所棟の外壁 経年劣化により発生した外壁タイルの浮きを、安全かつ効率的に補修できます。建物の外観を維持しながら、外壁修繕による資産価値の保全が可能です。
- 排気ダクト周辺・設備基礎のコンクリート壁 熱や振動の影響で浮きや剥離が発生しやすい箇所も、部分的かつ確実な補修が行えます。早期の修繕対応は、事故防止やプラント設備の保守管理に直結します。
- 中高層構造物の外装部 足場の設置を最小限に抑えることができ、稼働中のプラントでも施工可能。安全性を確保しながら、外壁保守・防水工事としても有効です。
- 耐火・防火区画の外壁 構造的に重要な区画でも、既存の仕上げ材をできる限り活かしつつ補修が可能。耐久性や防火性能を損なわず、長期的なメンテナンス計画にも適しています。